BTC(ビットコイン)について
導入
BTC(ビットコイン)について、最近では報道番組でもよく扱われるようになりました。
今ではその莫大な資産価値が注目を浴びていますが、その中身について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
ここではできるだけ詳しくBTCについて解説していきます。
Point
- BTCはSatoshi Nakamoto によって開発された最初の暗号通貨
- 取引履歴をブロックチェーン構造にして保存
- ネットワークにプライベート型のDLTを適用
- コンセンサスアルゴリズムにProof of Workを使用
- マイニングとよばれる計算処理作業によってBTCが付与
概要
BTCは世界最大の時価総額を誇る暗号通貨です。 2021年11月には1BTC=6万7千ドルを更新し、時価総額は1兆2700億ドルにも上りました。
BTCは仮想通貨の取引履歴を全てブロックチェーンと呼ばれる構造で保存・更新しており、DLT(分散型台帳鵜技術)を用いたネットワークでそれらのデータを管理しています。
データの更新にはマイニングと呼ばれる作業が必要で、膨大な処理が必要な計算を行うことが求められます。
このマイニングを行うことでBTCの取引履歴を作成でき、さらにマイニングを行なったマイナーに少量のBTCが付与されます。
歴史
BTCは2008年11月にSatoshi Nakamotoが公表した論文「Bitcoin :A Peer-to-Peer Electronic Cash System」によって誕生しました。 それまでの伝統的な政府発行の通貨から脱却することができるBTCは、その当時には利用するものも少なく知名度は低いものでした。
Web3.0の目的のひとつである中央集権型システムからの脱却のためには、現行の中央管理されたネットワークであるクライアントサーバシステムから、Peer-to-Peerシステムを用いたネットワークへの移行が必要でした。
BTCの時価総額が上昇し始めたのは2011年6月のことでした。その後2013年に価格が急上昇しました。当時、キプロスで金融危機が表面化したことから法定通貨の信用が揺らぐ現象が起きていました。法定通貨の価値が不安定になったことから、ビットコインへ資金を移動させる動きが広がり、時価総額の上昇へとつながりました。
2009年に初めて法定通貨とのレートが公開された際は 1BTC=0.00076ドルでしたが、2011年には一時
1BTC=31.91ドルまで上昇しました。その後2013年のキプロス通貨危機の際には
1BTC=90ドルにまで上昇しました。
その後投機目的の取引が増えたことからその価格は上昇し、2017年には
1BTC=19,500ドルまで上昇しました。
その後下落を経験したのち、2021年11月には
1BTC=67,000ドルの最高値を更新しました。
現在ではその急騰は影を潜め、特に仮想通貨業界のいくつかの事件が重なったことから価値は下落しています。
特徴
利点
- 分散性: BTCは中央集権的な機関や管理者を持たず、ネットワークの参加者が取引を行います。これにより、信頼性やセキュリティが向上します。また、システムの単一障害点がないため、攻撃や不正行為に強いとされています。
- 匿名性: BTCの取引は公開されますが、参加者の個人情報は非公開です。これにより、プライバシーが保護され、個人の取引情報が外部に漏れるリスクが低くなります。一方で、匿名性を悪用して不正な取引が行われる可能性もあるため、規制や監視の必要性も指摘されています。
- 限られた供給: BTCの供給量は21百万枚に制限されており、新たなビットコインの生成はマイニングによって行われます。この供給制限により、インフレリスクが低くなり、経済の安定性が向上するとされています。
- 高い流動性: BTCは世界中で広く取引されており、市場の流動性が高いです。多くの取引所で取引が可能であり、需要と供給が比較的均衡しているため、価格の急激な変動が少ないとされています。
- セキュリティ: BTCの取引は暗号化されたブロックチェーン上で行われ、改ざんが困難です。ブロックチェーンは分散型の台帳であり、過去の取引履歴が改ざんされることがないため、データの信頼性が高まります。また、暗号化された取引データは盗難や改ざんから保護されるため、取引の安全性が確保されています。
欠点
- ボラティリティ: BTCの価格は非常に変動しやすく、急激な価格変動が起こることがあります。特に、市場の需要や投資家の心理的要因によって大きく変動することがあります。このボラティリティは投資家にとってはリスクとなり、資産の価値が急激に変動する可能性があります。
- 取引速度: BTCの取引はブロックチェーン上で確認されるまでに時間がかかることがあります。ブロックチェーン上での取引処理には一定の時間が必要であり、ネットワークの混雑状況や手数料の高低などによって取引の確認までの時間が変動します。特に、大量の取引が行われる場合やネットワークの負荷が高まると、取引の確認に時間がかかることがあります。
- スケーラビリティ: BTCのブロックチェーンは大量の取引を処理することができず、スケーラビリティの課題があります。ブロックチェーン上のブロックサイズやトランザクションの処理能力には限りがあり、ネットワークが大量の取引に追いつかない場合、取引の処理時間が遅くなることがあります。この課題に対しては、ブロックサイズの拡大やオフチェーンの技術などが検討されています。
- 環境負荷: BTCのマイニングには大量の電力が必要であり、そのため環境への負荷が懸念されています。マイニングは高性能なコンピュータや専用のマイニング機器を使用し、膨大な計算処理を行うため、多くの電力を消費します。このため、BTCのマイニングが行われる地域では電力消費量の増加や再生可能エネルギーの需要が高まることがあります。
活用事例
- 送金手段:BTCは国境を越えた送金に便利な手段として利用されます。通常の銀行送金に比べて手数料が低く、即時性も高いため、国際送金やマイクロペイメントなどによく活用されています。
- 投資:BTCは投資対象としても人気があります。価格の変動が大きいため、一部の投資家はBTCを資産の一部として保有しています。また、BTCをベースとしたデリバティブ商品やETF(上場投資信託)なども登場しており、投資家にさまざまな選択肢を提供しています。
- レムニット送金:BTCを活用したレムニット送金サービスが提供されています。これは海外で働く人が自宅国にお金を送金するためのサービスであり、BTCを使って高速で低コストな送金を実現しています。
- マイクロチップ決済:BTCは一部の企業や小売業者で決済手段として受け入れられています。特にデジタル商品やオンラインサービスの購入など、小額の支払いに便利です。
- 寄付:BTCは非営利団体やチャリティ団体に対して寄付する手段としても利用されています。BTCの匿名性や追跡の困難さから、寄付者のプライバシーが保護され、透明性のある寄付活動が行われています。
これらの活用事例を通じて、BTCは金融システムや送金手段、投資手段などさまざまな分野で活躍しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。BTCに関して正しい知識を提供することができていたら幸いです。
最後にBTCのPointを見ていきましょう。
Point
- BTCはSatoshi Nakamoto によって開発された最初の暗号通貨
- 取引履歴をブロックチェーン構造にして保存
- ネットワークにプライベート型のDLTを適用
- コンセンサスアルゴリズムにProof of Workを使用
- マイニングとよばれる計算処理作業によってBTCが付与
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